第3回 ガマの郷にて
by まりりん |
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さあーさあーお立会い、御用とお急ぎのない方はゆっくりと読んでいらっしゃい。
筑波山超え江戸のうち、差出人を尋ね四方八方のまどか。山寺の鐘がゴーンと鳴るといえども、歩けど歩けどてんで差出人はみつからねぇ。
さーて、お立会い、手前、ここに取り出したるは、丸橋上から見た風景。差出人・―竹皮問屋権兵衛を捜すまどか。町人が歩く通り沿いに見える、屋敷風の建物は長屋門(ながやもん)と呼ばれ、この部分は江戸時代の中級武士の屋敷の佇まいを再現してるんだ〜ね。
風景の中では、まどかは武家屋敷通りから大店街へとササッと向かっているが、これは本来じゃありえねぇことなんだよ。おまえさん。というのも、江戸時代は幕府の政策で、武士と町人の居住地はきちんと区分されていたからなんだよ。
ただ、この園内ではコンパクトに江戸の町並みを再現するために、本来は別の場所にあるはずの「武家屋敷の家並み」と「町人の商店街」を1ヶ所に集めて、1つで異なる2つの佇まいを表すことができるようにと工夫がされているんだとさ。よく考えたものさ〜ね。
そして、手前、もう一つ取り出したるは大店街に掲げられてる暖簾。これも普段、一般客が見学する折に掛けられていてる暖簾と、撮影シーンで使っているものとは柄が違う。撮影するときには、その風景に合った柄の暖簾に変え、また撮影が終われば元の見学用で使われている柄の暖簾に戻してるんだよ。
一見、テレビ画面で見ていると、暖簾の柄を変えるなんて工夫がされているとはわかりゃしねぇが、こんな小さな風景作りへの気遣いから、時代劇作りは始まってるのさ。
実際に撮影が始まるってぇときは〜よ〜、まず、この暖簾の掛け替えやまわりの装飾、美術関係がゴソゴソと動きだすので、それがこれから撮影が始まるよ〜っていう合図なんだ〜ね
まどかの故郷、常陸の国筑波郡。あちきも住む現在の茨城県つくば市の名物はなんといっても、納豆、がまの油に、ど〜んと構える筑波山かねぇ? 今回の話の中にも出てくる、がまの油。効能はというと。
「ひびにあがぎれ、しもやけの妙薬、ま〜だある、大の男が七転八倒する虫歯の痛みもぴたりと止まる。(がまの油口上より)」
つまりは何にでも効くってぇことらしい。
おやっ? 十六屋を陥れようと、なんだかまた悪巧みを企んでる連中がいるようだ〜ね。なんでも効くってことは〜このがまの油、悪巧みを企む連中に、灸を吸えることもできるのかもしれないよ。
皆の衆もこのなんでもござれのガマの油、試してみるかい? ほら、耳を澄ますと。
「取り出したるは夏なを寒き氷のやいば、一枚の紙が二枚、二枚が四枚四枚が八枚、八枚が十六枚...ほ〜れ、この通りふっと散らせば比良の幕雪は雪降りの型...」
毎年8月第一日曜に筑波山では、ガマ祭りが行われ、この口上を聞くことができる。皆の衆も機会があったら、まどかの故郷、常陸へ足を運んでみておくれよね。
★http://www.pref.ibaraki.jp/data/festival/s_12.htm
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