雁屋のもんたファンクラブ 第2話 第4話 第6話 第7話 第8話 
川島広輝さんインタビュー
うそざれんの突撃レポーター・みずはがおとどけします。

 2003年1月10日から放送が始まったNHK金曜時代劇『人情とどけます』。このドラマで小澤氏が演じる清太郎は十六屋という飛脚問屋で働いている。その十六屋と対立する飛脚問屋・雁屋の“もんた”役として登場する川島広輝さんに、俳優としての思いや今後の抱負など、『人情〜』撮影のエピソードも交えて話を聞いた。

☆俳優になるまで
 小さい頃は地味でしたね。前に出るタイプではなかったんです。前に出ることが嫌いだったと言うか、信じられなかったと言うか。何故だか普通になることが目標でしたね。今考えると“普通”っていう意味もよくわからないですけどね。基本的にも何事にも自信がなかったんだろうなと思います。
 俳優になろうとしたきっかけは、よく聞かれるのですが、これ!と言うものはありません。演劇が好きだったのは確かですが。小学校の学芸会で、結構いい役をやらせてもらっていたので、それが楽しかったという記憶が残っていたのかもしれませんね。物語とかお話が好きだったので、もともとそういう分野が好きだったのかもしれません。
 最初は脚本や小説など書く方をやりたかったのですが、ある時、書くよりも自分で演じる方が楽しいなと思いました。中学の時も、高校の時も演劇部には入っていたんですよ。でも、職業としての俳優には、小学校時代や中学校時代は繋がってこないですね。直接に自分の職業に繋がっていくのは、高校卒業後の俳優養成所に入ってからですかね。

☆俳優として大切にしていること
 役作りに関しては、まだ、一番いい答えが見つかっていないのですが、今は自然に、リアルな感覚を大切にやっています。大事なのはリアルな自分。その場にいることの必然といったところでしょうか。役作りには、色々な考え方があると思うんですけど、作ったら駄目なのかなと思います。演じているその世界、その場に本当にその人間が生きていなければいけないと思うので。
 例えば、実生活である場所に自分が座っていて、自然に話している状態はリアルですよね。でも、こういうシチュエーションでやりなさいっていう設定を作られて、そこで何かを考えて、芝居を作ろうとしていたら、もうリアルじゃないと思うんですよ。そういう部分を大事にしないとダメなのかなぁと思っています。
 ただし、それを追求していくとカメラをフレームアウトしても何でも構わない事になってしまうので、最低限の約束を守らなければいけないですよね。あくまで「お芝居である」ので…。そこの折り合いって実はすごく難しいと思います。
 でも、最終的にはお客さんに川島広輝でなく人情ワールドに生きている“もんた”を見せられたらそれでOKじゃないのかなと。

☆『人情とどけます』の撮影に参加して
 『人情〜』に関してはあまりセリフがないのですが、自分はわりとセリフ覚えが悪い方なので、何回も台本を読んで、全部覚えてからやらないとだめなんです。だから、舞台で綺麗にセリフが出てくるのかと言われちゃうとそんなことはないんですよね。
 いろいろな考え方があると思いますが、もしかしたらテレビのように一場面一場面区切った方が気持ちは持っていきやすいのかもしれないと最近思いますよ。
 テレビドラマと今までやっていた舞台は、演技という本質の部分では同じだと思います。ただ、カメラに対する芝居と客席に対する芝居は見え方が違いますよね。だから見せ方にも変化が必要なのかもしれませんね、これについては、まだ研究中かな。
 本格的なテレビドラマは『人情〜』が初めてなのですが、現場で撮っている景色とテレビOAで見るのとではやっぱり違いますよね。一番大きく感じるのは、音楽でしょうか。舞台は、当然芝居をしながらバックで音楽も流れていますが、テレビの撮影現場では無音ですから、OAで音がついた作品を見る感覚と違うから、OAがとても新鮮な感じがします。
 例えば、第1話に雁屋がちょっとだけ出て来ましたよね。あの時ちょっとコメディチックな曲がついていたと思うんですが、あの曲がつくことで、敵なんだけどそんなに悪くないんじゃないの雁屋って?みたいなイメージがでてるかなと思いました。
 雁屋は実は全員で7人なんですが、メインは雁屋半兵衛さんとおのぶさん、十六屋から鞍替えする五郎八さんなので、(川島さん扮する“もんた”を含む残りの4人は)あまり話の中心ではないんですよ。第2話は雁屋がメインの回ですよ。後は最終話も雁屋活躍します!それ以外は基本的に他のエピソードが中心でしょうか。
 撮影はすごく楽しかったです。打ち上げの席でも、こういう楽しい現場は珍しいというお話を他の方からもお聞きしました。雁屋の4人では撮影が終わった後に飲みに行ったりしましたよ。でも、テレビの撮影ではそういうのはあまりないみたいなんですよ。舞台ではそういうことがよくあるんですけど、テレビですと、その場その場の付き合いになってしまう事が多いらしいです。そういう意味でも、今回の現場に参加できたのはとても有り難かったですね。

☆オフの日の過ごし方
 舞台をやっていた時は、毎日稽古をしていましたが、最近は少し時間があるので、テレビやビデオで映画・ドラマを見ています。後は、知り合いの舞台を見に行ったりするかな。とにかく全てが勉強だと思っています。映画やドラマは、古今東西の作品を見ていきたいなと思っています。有名な作品はやはり有名になるだけの理由がありますから、見れば見ただけ自分の引き出しになるので少しでも多く見ていきたいと思っています。
 いろいろなジャンルでいろいろなお気に入りがありますが、映画でのお気に入りは『カンゾー先生』という作品でしょうか。柄本明さんの主演作品なんですが、自分は柄本さんが好きな事もあり大変興味深い映画でした。戦時中の日本の話なのですが、“カンゾー先生”の生きるメッセージが強く伝わってきて大好きな作品です。

☆ 今後の“川島広輝”
 また次回作でもこうやって取り上げていただいて、次に川島はこういう作品に出るぞ!皆さん見てね!と言えるように頑張っていきたいと思っています。まだ具体的に次の作品は決まってはいないですが、今回の“もんた”を超える役ができる作品に参加できればと思っていますよ。舞台、映画、TVドラマとメディアは問わずに、頑張っていきます!

 川島さんは、実に率直にお話して下さった。ご自身に関することを振り返る時は、言葉を選びながら、一生懸命考えて話して下さったし、役作りのことをお聞きした時には、お芝居のことを全然わかっていない私に丁寧に説明しながら、俳優としての情熱やご自分の考えを伝えて下さった。『人情〜』の“もんた”、そして川島さんのこれからが楽しみだ。

*川島さんが一番注目してほしい場面はどこですか?
「第2話のもんた!と雁屋でしょうか。やっぱり。」

川島広輝
1980年3月12日生まれ。演劇養成所を経て舞台・映像を問わず様々な作品に参加。
2001年より梅沢武生劇団に参加、女形や立ち役などの役柄で明治座、御園座、新歌舞伎座の劇場をはじめ全国津々浦々にて300公演以上を行う。
そして今年はNHK「人情とどけます」に準レギュラー出演。
瀬嶋事務所所属。

★川島広輝公式サイト http://homepage2.nifty.com/hiroki_kawashima/