『配達できない三通の書状』('03.1.24放送)
by みずは |
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ようっす! みんな、元気か? 元気といえば、「どいたどいたぁ〜!」と店に入ってきた十八組のお嬢さん。火消しの格好が似合うとほめてやったのに、尻でへっつかれちまった(笑)。 しかし、まどかに恋文とは、か〜、やるねぇ!! まあ、見ていてあきないお嬢さんだよな。おいら、お嬢さんの物まね、結構うまいだろ? ちゃんと見てくれたか?
さてさてある日、まどかが預かった三通の書状を、友吉っあん、まどか、おいらの3人で手分けして届けようとしたんだが、宛名不明の使いッ走り、無駄足くわされちまった。友吉っあん、おかねさん、ご隠居さんは雁屋の嫌がらせじゃねえかと言うんだけど、まあ、何はともあれ届けられなかったことにはちげえねえ。
まどかは差出人のところへ行って謝ると言う。へえ、まじめな奴じゃねえか。おいらも一緒に行ってやろうと思って二人で出かけた。しかし、差出人の町内には竹皮問屋なんてねえときた。てめえが住んでいる町名を間違えることはねえはずだ。こりゃあ、ご隠居さんの言い分が正しいな。その足で早速雁屋へ怒鳴りこみに行ったんだ。ところが、女将のおのぶに証しがあるかと言われちまった。そういわれちまうと証は…ねえなあ。五郎八の野郎、タチの悪い洒落だと言いやがった。ご丁寧に謎解きまでして下さったからには奴の仕業かと思ったが、どうやらそうでもねえらしい。奴に言わせれば半年前にも同じことがあったっていうじゃないか。
その夜、おかねさんが秋ナスを焼いてくれる間、みんなで話あったんだ。まどかが文の中身をあらためちゃ、と言ったが、女将さんは「文は人と人とが心を通わせるためのもの、人と人との四辻」だからと頭を縦に振っちゃあくれない。しかし、おいら達3人が届けに行った時、おいら達は誰かに見張られているような気がしたんだ。良からぬ何かに関わっていなきゃいいが…。それでもおかみさんは差出人の許しなく文をあけるのは、お役人の言い付けがあった時だけだという。何か良い手はないかと考えていると、藪井先生が人通りの多い道に行き方知れずの文を並べてみてはどうかと提案してくれた。そいつぁいい!
早速、道端に並べてみたものの、世の中、薄情なもんで、見向きもしてもらえねえ。様子を見に藪井先生とおつやさんが来てくれた。おつやさんが手にした書状を見ると…なにぃ? 常陸國筑波郡丹野村阿具里様? そんな書状、今朝女将さんから預かったときにあったっけかなあ? まどかはあったと言い張る…。そこへお役人の光畑礼三郎様がやってきて、全ての書状を預かっていくってぇ話になると、まどかが、阿具里様宛の書状は自分のものだと言い出すじゃねえか。
その夜、藪井先生のところに上がらせてもらって、まどかにどういう魂胆かと問いただしたんだ。そしたら、まどかの奴、急に「あっし達、ずっと仲間かい?」と聞くんだ。もちろん、おうよ、と答えると、まどかの奴、急に正座しやがって、「私、女なの」、だあ? 悪い冗談はよせって言ったんだが、「だましていてごめんなさい」と頭を下げてやがる。聞けば、まどかは7つの時にいなくなったおっかさんを探すために江戸に出て来て飛脚人になったってえ、つらい事情を抱えているっつーじゃねえか。その上、女であることを黙っていてくれと頭を下げるんだ。男になりすましてでもおっかさんを探そうという心意気においらは心を打たれちまった。よし、おいらはまどかを困らせるようなこたぁしねえ。おいらがまどかを守ってやる。そう言って、まどかの肩を叩いてやったら、まどかはおいらの胸に飛び込んできた。さぞや、今まで苦しかっただろうな。もう、でえじょうぶだよ、まどか。おいらはそっとまどかを抱きしめてやったんだ。
その夜、寝床で友吉がふんどし一丁で寝ようとするから寝間着くらい着ろと忠告してやったり、寝床についたてを立ててやったり、翌朝重い荷物を持とうとするまどかの代わりをしようとしたら、まどかに「余計なおせっかいしないでくれ」と言われちまった。
そこへ、例の光畑様が店にやってきた。どうやら先日持っていった書状の控えを見に来たとな。どうやら、光畑様は女将さんにほの字らしいぜ。
そして数日後、おいらが店へ帰ってきたらお客が1人来ていたんだ。おかみさんは、いきなり書状を持って外へ出て、
「にわなかの あすはのかみに こしばさし あれはいわなむ かえりくるまで」
って詩を詠むんだ。一体どうしちまったっていうんだ? そこへ飴屋と唐辛子屋まで来て、訳がわからねえ。おかみさんの態度にしびれを切らしたお客は、おかみさんから書状を取り上げようとしていた。そこへ、唐辛子屋が客に飛びついたんだが、すっ飛ばされちまった。すると、客の野郎、まどかに刃をあてやがった。もう許さねえ!! おいらは近くにあった分銅を投げ、野郎がひるんだ隙に天秤棒で脳天を叩きつけてやった。すると唐辛子屋が縄を持って来て縛り上げ、そこへ光畑様がやってきた。ご禁制の抜け買いが…なんだって?
後日、光畑様は、礼の鯛を持ってやってきて先日の木津屋八兵衛の件を知らせてくれた。どうやら飛脚人が届け人を探しまわっているのが、抜け買いの日にちを手下に知らせる合図だったてぇいうんだ。女将さんは光畑様から相談を受けて、御用の人を呼ぶために急にあの詩を詠みなすった。なるほどな、十六屋の仕事ぶりは真面目だから、それを八兵衛一味に利用されたって訳よ。
黄昏時、まどかと町を歩いていると、まどかの奴、女言葉を使いやがるから、表では男言葉を使いなって注意してやったんだ。しかし、俺がお侍だって? とんでもねえ、俺は足が速いだけが取り柄の浮草だ。おい、前からおくみさんさんだぜ。いまさら女だとは言えまいて。するとまどかは湯屋までのかけっくらだって言ってきた。ようし、のってやろうじゃねえか。あらよ!
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