地下鉄のウエスト・フォース(West 4th)という駅からFラインに乗り、42丁目の駅で降りる。地上に出るとそこはブライアント・パークという大きな公園で、ニューヨーク公立図書館の巨大な建物が隣接している。公園内には、クリスマス・ツリーやギフトを売る露店が並んでいる。露店を冷やかしながら5番街に向かい、右に折れて38丁目にあるロード・アンド・テイラーというデパートへ。ロード・アンド・テイラーの品揃えは、バーニーズやサックス・フィフス・アベニューなどのデパートに比べると、私にとっては「とってもダサイ」のだけれど、毎年、見事なクリスマスのショーウインドーを飾ることで有名だ。今年のテーマは「くるみ割人形(The
Nutcracker)」。アメリカでは、12月になるとバレエ公演や映画や舞台で取り上げられるお約束のテーマで、クリスマスの風物詩。日本でいえば、内容もイメージもだいぶちがうけれど、忠臣蔵みたいなもんですかね。
「くるみ割人形」はチャイコフスキーのバレエで有名だが、もちろん原作がある。ドイツのE.T.A.ホフマンという人が書いた子どものための物語だ。ロード・アンド・テイラーのショーウインドー担当者は、できる限りの調査をし、原作が書かれた19世紀初頭の時代と物語そのものを忠実に再現するウインドーをこしらえたのだそうだ。
デパートの近くに来たら、いるいる、ウインドーの前に人が集まっている。通りには、チャイコフスキーの「くるみ割人形」のクラシック音楽が大音響で流れている。南端のウインドーから順番に物語の場面が、人形や背景、小道具に至るまでこと細かに再現されていて、うっとりするような美しいショーウインドーだった。(写真をご参照下さい)これよ、これよ、これが私の夢見ていたニューヨークのクリスマスの風景なのよ〜と、住人のくせに、大喜びしているまぬけな私。 |