2002年も終わろうとしている。いつも12月に入ると思うことだが、今年も早かったなと思う。今年を振り返った時、前半と後半で決定的に違うことがある。それは小澤征悦氏という俳優さんを知ったこと。「さくら」が放送されていなかったら、今の私とは全く違う“私”であったと断言出来る。
「さくら」を見始めたのは、4月の第1土曜日。いつも、朝の連続テレビ小説は土曜日の1週間分の放送を見たり見なかったりで、その日も最初から見ていたわけではなく、後半を見て面白そうだと思った程度だった。
そんな週が何週続いただろうか。私が完全に小澤氏のファンになった、決定的なシーンは文化祭の準備をしている時のさくらと桂木先生の“心の笑顔”対決だった。桂木先生の“心の笑顔”はまるでお陽様みたいだなと思った。次の瞬間、はたと考えた。この人の名前、何と読むのだろう?
こんな時はインターネット。読めなくても漢字さえあっていればどこかで絶対引っかかってくれるはず。早速検索すると、1件のサイトがヒットした。ローマ字でタイトルが書いてある。
「そうか、オザワユキヨシと読むのか…」
クリックしてサイトを開いた。そのサイトで驚いたのはものすごい速さで回転していたBBS。日本にとどまらず、アメリカ、ブラジル、韓国、そしてロシアからも小澤氏のファンが書き込みをしている。世界中どこにいても、電話とパソコンさえ繋げば広がるインターネットの特徴がよくあわられていた。
当時は「さくら」が放送されていたから、BBSの話題はその日その日の放送の感想が1番大きな話題になっていたけれど、それに留まらず、ほかの内容も読んでいて楽しいものが多かった。例えば「“ROM”という言葉がわからない」という書き込みに対し、「“Read
Only Member”の略である」と親切に答えてあるものがあるだけでなく、「“Real Ozawa Mania”の略である」という洒落を利かせた書き込みまであって、盛り上がりを見せていたのだ。毎日BBSにある書き込みを読んだり、私も書き込みをしたり、その私の書き込みに反応してもらえたり。それらのことが本当に楽しくて、どんどんのめり込んでいった。
そのBBSで私にとって1番印象的だった出来事は、小澤氏所属の“六本木男性合唱団”ライブレポ (笑)。小澤氏が出演するか分からないのに行ってしまったのだ!!…結果は小澤氏は出演せず(笑)。 けれど、丸ビルから1人、携帯電話のi-modeを使ってBBSに実況生中継をしていた私に、沢山の応援メッセージを書き込んで下さった方々がいた。その時のメモを見ると、なんと殆どが“うそざれん”のメンバーだった。この時、見ず知らずの私をこんなにも応援してくれているんだと暖かい気持ちになれたことを覚えている。その他、「さくら」の舞台となった岐阜県各地や映画「ホタル」の知覧町についての旅行レポを載せ、レポを読んで感想を頂けたことも良い思い出だ。
今はもう、そのBBSもサイトそのものも残念なことに閉鎖されてしまった。だが、あのサイトがなかったら、今、YOMで書いてあるようなレポやこのようなエッセイ(?)を私は書いていなかっただろう。文字を通して私が感じたことを伝える楽しさを教えてくれたのは間違いなくあのBBSである。それだけに、BBSの閉鎖もサイトそのものの閉鎖もショックだったし、淋しく思った。でも、私は私なりに今後も小澤氏を応援していきたいと思う。
♪オザワオザワで半年過ぎて 追うわあなたの役者道〜
と、とさんが詠んだ都々逸がある。私にとって、2002年の7月以降の半年は、まさにオザワオザワで過ごした半年だった。小澤氏のファンになってからの私。小澤氏が出演しているものを見たいと切望していること(これは当たり前なのだが)。小澤氏の出演作品から少なからぬ影響を受けていること。いくつかの撮影場所に足を運んだこと。今まで興味がなかったことにも目を向けていること。考え出すとキリがない位、色々な私が見える。
そして、もらったものも数知れず。小澤氏も、YOMに関わっている人たちも、応援、刺激や元気などをくれて、私の気持ちをプラスに持っていってくれる。本当にどうもありがとうございます。
小澤征悦氏という俳優さんを通して、見たもの、考えたこと、出逢えた人たち全てが私にとっては宝物だ。これらの宝物に感謝すると共に今後もこのような宝物を少しずつ増やしていけたらいいな。そんなことを思う今年の年末である。 |